| 先天性風疹症候群は、1999年4月の感染症法の施行により全数把握疾患となった病気で、 1999年には報告がなく、2000〜2003年は各1例と、発生が0になる日も近いと思われていました。 ところが今年は、第9週から第25週の間に5例、第40週に1例、さらに第41週に2例(神奈川県、熊本県)の報告があり、すでに8例が報告されています。 これをうけて厚生労働省から「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」が出されました。 これによると、「妊娠中の女性を守るためには、男女とも風疹ワクチンを接種して、社会における風疹の蔓延を防ぐことが重要である。」と提言しています。 妊娠初期には、産婦人科では必ず風疹抗体をチェックします。 もし抗体がないか低い(16倍以下)時には、厚生労働省は次のように勧告しています。 ◆妊娠中 人ごみや子供の多い場所を避ける 風疹患者のいる場所を避ける ◆夫、子供、同居の家族へのワクチン接種の推奨 ◆分娩後早期のワクチン接種の推奨 詳しくは厚生労働省ホームページ 「風疹に気をつけましょう」 →http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html 風疹は発熱、発疹、リンパ節腫脹を主な症状とする感染症で、3日ほどでなおることから「3日ばしか」とも言われます。 まれに特発性血小板減少症や脳炎を合併することがあると言われていますが、基本的には予後良好な病気です。 ただし、妊娠初期に感染すると先天性風疹症候群(難聴、白内障、先天性心疾患のうち2つ以上を持って生まれてくること)という病気の赤ちゃんが生まれることがあり、先天性風疹症候群とは、妊婦が妊娠前半期に風疹に感染すると出生児に起きる病気のことをいいます。 詳しく知りたい人は国立感染症研究所のページを見てください →http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_21/k02_21.html#0104kansen ◆出生児におこる症状 先天性心疾患(妊娠3ヶ月以内の感染でおこる) 白内障(妊娠3ヶ月以内の感染でおこる) 感音性難聴(妊娠6ヶ月以内の感染でおこる、高度難聴のことです) その他 網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球 ◆発生する確率 妊娠1ヶ月 50%以上 妊娠2ヶ月 35% 妊娠3ヶ月 18% 妊娠4ヶ月 8% ※成人でも不顕性感染が15%程度あるので、母親が無症状であっても先天性風疹症候群は発生することがあります。 ◆これまでに報告された12例の母親の 予防接種歴 「なし」が5名 「不明」が4名 「あり」が3名(母子手帳に記載1名、本人の 記憶2名) このように、まれには確実に予防接種歴があっても十分な免疫が獲得されていないこともあります。 妊婦の感染を防いで先天性風疹症候群の発生を防ぐためには、ご主人やお子さん、同居家族など妊婦の 周囲の人々が予防接種を受けることも重要です。 さらには、定期接種の対象者だけでなく小児から成人まで、男女ともに免疫のない人々は予防接種を受け、社会全体で風しんの流行その ものを確実に抑制することが強く望まれます。 【先天性風疹症候群を防ぐために】 ●妊娠前に一度血液検査をして抗体があるかどうか確かめましょう。 ※抗体が陽性の人に接種しても特別副反応は起こりません。 ※ワクチン接種で95%以上の人に抗体陽転しますが、まれに抗体のできないことのあるワクチンです。 接種後は血液検査を受けて抗体価をチェックしましょう。 →もし陰性なら風疹ワクチンを受けましょう →もし抗体価が低ければ(16倍以下)妊娠に備えてワクチンを接種しましょう ※風疹ワクチンは生ワクチンです。 抗体価の低い人には追加免疫効果があります。 低い抗体価を保有しながら、再感染による先天性風疹症候群の発症が報告されています。 このことより抗体価が低い時はワクチンをうけたほうが無難です。 ●注意事項 ・胎児への感染を防ぐために生理中か生理開始後10日目までにうけましょう。 ※接種後はきっちり2ヶ月間避妊します。 【妊娠中の検査で抗体価が陰性または低い(16倍以下)ときの注意】 ●人ごみや子供の多い場所を避ける ●風疹患者のいる場所へは行かない ●ご主人、子供さん、同居の家族の方がワクチンを接種されることを厚生省は推奨しています ●お産が終わったら早期にワクチンを接種しましょう 【風疹ワクチンについてよくあるご質問】 質問1:副作用はありますか? A:小児では5日〜14日に発熱、発疹、リンパ節腫脹することがあります
質問2:ワクチンをうつと人にうつすことはありませんか? A:ワクチン接種後1〜2週間に咽頭よりワクチンウィルスの排泄が認められることがありますが、周囲の人に感染することはありません。 質問3:ワクチン接種後に妊娠してしまいました。大丈夫でしょうか? A:過去に蓄積されたデーターによれば、ワクチンによる障害児の発生は1例もないので妊娠を中絶する理由にはなりません。
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