母乳育児データー

最近の患者様のデーターをとってみました。
ぜひ参考にご覧下さい。

・出産後1ヶ月の完全母乳育児率は ・・・ 72%、
・混合栄養でも母乳のほうがミルク補充量より多い人 ・・・ 13%
・母乳分泌から考えると母乳育児できそうなのに、お乳に問題があって、うまくできなかったお母さんや、体重のふえ方をみても十分に母乳で足りているのに、お乳が足りないと考え混合になったしまったお母さんは ・・・ 10%
・本当に乳汁分泌の悪いお母さんまたはお乳は出ているのに赤ちゃんがうまく吸えないために混合栄養になっているお母さんは ・・・ 5%

当院では85%の人が母乳育児しておられることになります。
ピジョンの“ベビー統計”をみると、主に母乳で育てている人は46.5%となっています。
それに比べると、当院の母乳栄養率が85%ですから、かなり高いことはご理解いただけると思います。

要するに、たいした努力なしに母乳で育てられる人は46.5%のお母さんで、
残りの38.5%のお母さんは何らかの努力をすれば母乳育児が可能になるお母さん、
15%のお母さんは母乳で育てる意志が無いか、本当に母乳分泌の悪い人ということになります。
       
母乳育児がうまくいくには
1. 母乳の良好な分泌
2. 乳房の形体や張りの状態(要するに吸いつける乳房かどうか)
3. 赤ちゃんの哺乳力
この3つの条件が整ってはじめて母乳育児は成功します。
母乳分泌が安定するにはだいたい1ヶ月かかりますので、この分娩後1ヶ月のお乳のケアが大切です。

退院後みなさんがどのような経過をたどるのか知っていただければ参考になるかと思います。
当院の患者様の経過をお示しします。こちらも参考になさってください。


No1:Y.Hさん(2回経産婦) 混合→完全母乳
  退院時
1ヶ月 - - -
体重(g)
3108 3948 - - -
1回授乳量(g) 28〜44 130 - - -
ミルク補充量(ml) 20 0 - - -
退院後2〜3日でミルク飲まなくなったので、体重を量ってみたところ1回に100グラム飲んでいたのでミルクを中止しました。さすがに当院で3度目のお母さんです。はなまるおかあさんです。

No2:A.Oさん(初産婦) 混合→完全母乳
  退院時
13日目 20日目 27日目 -
体重(g)
2930 3176 3056 3274 -
1回授乳量(g) 34 72 46 104 -
ミルク補充量(ml) 30 0 0 0 -
ミルク補充中止後一時的に体重減少(児の哺乳力が弱いため)しましたが、その後はしっかりと飲むようになり完全母乳に成功しました。

No3:N.Kさん(初産婦) 混合→完全母乳
  退院時
13日目 27日目 36日目 -
体重(g)
2840 3096 3672 4200 -
1回授乳量(g) 42 36 58 52 -
ミルク補充量(ml) 20 0 0 0 -
乳頭が短い(5〜6mm)ため、くわえるまでに時間がかかる症例で、赤ちゃんも癇癪を起します。お乳の飲み方にむらがありますが、乳汁分泌の状態と体重の増加量からみて母乳だけで大丈夫と判断しました。助産師が乳輪部をやわらかくして飲ませると、嫌がることなくスムーズに飲めます。お母さんも妊娠中からちゃんと乳房の手入れをして出産に備えてくれました。その結果母乳育児に成功できたと思います。

No4:N.Aさん(1回経産婦) 完全母乳
  退院時
14日目 20日目 36日目 -
体重(g)
3206 3382 3544 3842 -
1回授乳量(g) 54 26 46 82 -
ミルク補充量(ml) 0 0 0 0 -
前回は他院での出産で、乳房の手入れは何も指導を受けなかったそうです。今回は当院で出産されましたが、14日目に受診された時は、赤ちゃんが泣くのでお乳が足りないと思い、1時間半でお乳をあげたりしていました。そのため乳房が張りすぎてかえって赤ちゃんが飲みにくい状態になっていました。短時間での授乳のデメリットを理解していただいて、授乳方法を改善され母乳育児に成功しました。

No5:B.Nさん(2回経産婦) 混合→母乳
  退院時
1ヶ月 - - -
体重(g)
2856 3496 - - -
1回授乳量(g) 20 測定せず - - -
ミルク補充量(ml) 40 0 - - -
前回も当院で出産されていますので要領はよくわかっておられます。2週間くらいでミルクを飲まなくなったので、母乳だけで足りていると判断しておられます。大体お乳がよく出るようになってくると自然に赤ちゃんはミルクを飲まなくなるようです。

No6:T.Kさん(初産婦) 混合
  退院時
13日目 21日目 1ヶ月 -
体重(g)
3366 3466 4074 5052 -
1回授乳量(g) 0 4 26 14 -
ミルク補充量(ml) 70 60 50 70 -
乳頭が短く乳輪が硬いため赤ちゃんがうまく吸いつけません。
助産師がしっかり圧をかけて乳輪部をやわらかくして飲ませると右側は嫌がらずに飲めるのですが、左側は乳輪が硬く滑って口を離してしまい結果的には1ヶ月半には直接母乳34グラムまで増加しましたが、お母さん一人では乳首をうまくくわえさせられず、そのうちにミルクの量がふえて結局完全母乳には移行できませんでした。

No7:Y.Eさん (第2子) 混合→母乳
  6日目
14日目 22日目 31日目 38日目
体重(g)
3098 3306 3696 4076 4398
1回授乳量(g) 34 46 32 64 74
ミルク補充量(ml) 30 30 10〜30 0 0
体重増加量(g) - 26 48.8 47.5 46
14日目来院時には母乳だけで十分なくらい母乳は出ていましたが、幼児の哺乳力不十分なため22日目までミルクの補充を要しました。


No8:Y.Eさん (第1子) 混合
  6日目
14日目 22日目 31日目 40日目
体重(g)
2896 2960 3226 3496 3758
1回授乳量(g) 0〜10 26 24 38 44
ミルク補充量(ml) 60 60 0〜40 0〜40 0〜30
体重増加量(g) - 8 38 27 32.8
乳輪が大きく短乳頭のため深くくわえにくく浅のみになりやすい。2ヶ月までに母乳となったケースです。

No9:T.Yさん 混合<口唇口蓋裂>
  退院時
9日目 17日目 24日目 36日目
体重(g)
3856 3970 4196 4460 4864
1回授乳量(g) 0〜6 14 10 10
ミルク補充量(ml) 70 70 70 70 80
体重増加量(g) - 28.5 28.3 37.7 31.1
口唇口蓋裂のお子さんです。どうしてもうまく吸えないので、混合栄養ですがお母さんは母乳をあげられたことを喜んでくださいました。


No10: S.Yさん 完全母乳
  退院時
19日目 17日目 24日目 -
体重(g)
3104 3444 3712 4376 -
1回授乳量(g) 84〜100 82 88 108 -
ミルク補充量(ml) 0 0 0 0 -
体重増加量(g) - 42.5 33.5 44.3 -
3度目の出産です。3回とも退院時から母乳のみでいけました。

No11:Y.Mさん 混合
  6日目
13日目 21日目 35日目 -
体重(g)
3782 3538 3978 4726 -
1回授乳量(g) 44〜46 22 20 40 -
ミルク補充量(ml) 0 40 20 80〜160 -
体重増加量(g) - -34 55 57.5 -
退院時には乳汁分泌もよく、児の吸てつもよく母乳のみでいけるケースであったと考えられますが、残念なことにお母さんに意志がなく夜間に授乳をしなかったり、家族がミルクを多量に飲ませたりしたために混合になってしまいました。

No11:Y.Mさん 混合
  6日目
13日目 21日目 35日目 -
体重(g)
3782 3538 3978 4726 -
1回授乳量(g) 44〜46 22 20 40 -
ミルク補充量(ml) 0 40 20 80〜160 -
体重増加量(g) - -34 55 57.5 -
退院時には乳汁分泌もよく、児の吸てつもよく母乳のみでいけるケースであったと考えられますが、残念なことにお母さんに意志がなく夜間に授乳をしなかったり、家族がミルクを多量に飲ませたりしたために混合になってしまいました。

No12:T.Aさん 混合
  6日目
1ヶ月 - - -
体重(g)
3044 4404 - - -
1回授乳量(g) 24〜44 - - -
ミルク補充量(ml) 20 20→40→60 - - -
体重増加量(g) - 46.9 - - -
母乳育児相談にお見えにならなかった患者様です。
退院時の授乳量から考えるとミルクの補充は1週間くらいでよかったのではないかと推察されます。
赤ちゃんが泣くのでどんどんミルクの補充量を増やしています。
母乳はしっかり飲むということなので、体重も増えすぎていることを考えるとミルクは必要ないのではないかと思われます。

No13:W.Eさん   
他院出産の患者様です。泣いたら吸わせる授乳方法で、乳房が緊満しすぎて母乳育児の確立に1ヶ月かかりました。
  7日目
14日目 22日目 32日目 47日目
体重(g)
2700 2890 3350 3610 4402
1回授乳量(g) 32 32 46 102 84
ミルク補充量(ml) 20〜30 30〜50 30 30 0
体重増加量(g) 27.1 57.5 23.6 52.8
乳房の緊満
飲み方
+++ ++ + 飲めるようになる しっかり飲める
前回も乳腺炎をきたし当院で治療後母乳育児に成功した患者様です。今回も里帰り分娩です。
退院翌日信じられないほど乳房が腫脹して受診されました。
出産した病院には乳房外来が無く、お乳はよく出ているので泣いたら吸わせなさいと指導をうけておられます。
1時間半毎に左右10分ずつお乳を吸わせていました。
当院受診時には今まで見たことがないくらい乳房は緊満し乳腺の可動性はほとんどありませんでした。搾乳すればお乳は90ccも出るのに乳房が張りすぎて赤ちゃんはお乳をうまく吸えません。すべってぬけてしまいます。基底部マッサージとで乳房の緊満を軽減させ、乳首をもみ、ずらしたりして、やわらかくさせ、やっと赤ちゃんは上手に飲めるようになりました。
上手に管理すれば、退院時には完全母乳でいけたケースだと思います。